ひとり暮らしをするようになってから、お正月だからといってとくにおせちを作るわけでもなく、特別なことはしなくなりました。料理って、やっぱり誰かのために作るものなんですよね。趣味であろうと義務であろうと。自分だけのためには、なかなか、、、。
お餅は好きなので、一応、ナルトかなんか買ってきたりして、お雑煮は作りました。関東風なので、あっさり。夜は、毎日、湯豆腐! それというのも、神田のおいしい手作り豆腐をいっぱいいただいたので。それに加えて、柔らかくて甘い泥ネギもいただき、ネギ湯豆腐。これが飽きない。夢中で食べました。
いただいたのは、神田の「越後屋豆腐店」から。近所、といっても歩いて30分ぐらいのところですが、父の友人がいて、父が他界した後もなんとなく付き合いが続いています。その人が、神田の豆腐屋の娘。絵に描いたようなチャキチャキのにぎやかな姐さんで、まさに「江戸っ子だってねぇ、神田の生まれよ」の感じ。いまは、叔父さんが豆腐屋を経営しているのですが、毎年どっさり、豆腐、がんもどき、厚揚げ、油揚げを届けてくださるので、私もちゃっかりお裾分けにあずっかっているというわけです。
絹ごしでもシャキッと締まっていて、本当においしいお豆腐です。仕事などでちょくちょく都心に行っていた頃は、前日や当日の朝に電話をして、「とっといて!」(午前中には売り切れてしまうので)とか言って、買って帰ってきたものですが、いまは電車に乗ることも少なくなり、なかなか神田辺りを通りかかることもなく、この年末のご馳走だけになりました。
がんもどきや油揚げなど、揚げ物もすごくおいしい! 当然ですね、豆腐がおいしいんだから。がんもどきは大きめなので2つに切って煮ました。本当は丸のまま煮たほうが、口の中でじゅわ~っとしみ込んだ出汁が広がりおいしいのですが、なにせ大きいので、じゅわ~は犠牲にして、切って味をしみ込ませる作戦に変更。今年は、厚揚げも一緒に煮て、おいしい二重奏を楽しみました。油揚げは、焼いて、生姜と大根おろし、醤油をちょこっとかけていただくのが最高です!