ひとり暮らしが長くなるにつれ、お正月だからといっておせち料理を作ったり、松飾を飾ったりをしなくなりました。子どもの頃は家中、あちこちに鏡餅を置き、なんとかの神様、かんとかの神様と神様の名前も覚えたものですが、すでに完全に忘却の彼方。鏡餅を下ろした後、細かく割って揚げ餅にしてもらうのだけは楽しみだったなぁ、とそんなことばかりを思い出したりします。
それでも、まあ世間並にお雑煮だけは祝うようにしています。突然、お雑煮に入れるお餅は「食べ上がる」といって、元旦よりは二日、二日よりは三日と増やしていくものだと言われたことを思い出しました。そんなに食べる量を一気に増やすのも難しいので、確か一日は大きめのお餅を一個、二日目は中くらいを二個、三日目は小ぶりを三個なんていう食べ方をしていたのではなかったでしょうか。昔は、お米屋さんに伸し餅を注文して、家で切り分けるというのが普通だったので、お餅の大きさもバラツキがあったような気がします。我が家はずっと関東系なので、もちろん角餅です。近所の農家の方が毎年、餅つきをしてくれていたのは、もう何十年も前になるかもしれません。記憶もうっすら。
いまでは買ってきたパックのお餅でお雑煮を作るわけですが、東京のお雑煮は人参、大根、小松菜でかつお出汁。両親が若い頃は鶏肉を入れていたのではないかと思いますが、晩年はさっぱり系が好みになり、和風出汁だけになったような。気持ちの問題という感じで、ナルトを飾りました。この日だけは塗りのお椀を使ってみたりして。
今年は元旦に友人が注文してあったという冷凍のお重を持って遊びに来てくれたので、ちょっとだけ洋風お節っぽい食べ物を並べ、お屠蘇のかわりに木島平のおいしい日本酒で飲んだくれました。それほどの量ではありませんが、グラス一杯も飲めば、私たちにとっては「飲んだくれました」です。これもいただきものの神田のお豆腐屋さんのおいしい手作りを湯豆腐にして、今年は春から縁起がいいわい! でした。





