朝、私が乗る予定の馬はすでに洗い場に出ていて、馬房から呼んでくる手間が省けたと喜んでいたら、隣の馬房が大騒ぎ。寝ていた馬が起きられなくなっていました。身体の具合が悪いというわけではなく、それほど広くない馬房で妙な向きで寝ていたため、起きられなくなったということらしく、、、インストラクターやら厩務員やら10人がかりくらいで馬の向きを変えようとしていたのですが、なんといっても500キロ近くある身体です。そう簡単に動かすこともできず、大変なことになっていました。
下に毛布を敷いたりして、なんとか足が前に出せるような角度までもってきたのですが、長い間、その姿勢でいたためか、足がプルプルして、自力で立つことができません。馬にとって立てないというのは、かなり致命的なことで、みんな心配顔。獣医さんに電話したり、ロープやいろいろなものを使ってなんとか立たせようと必死です。
そんなこんなを見ているうちに、私は騎乗の時間になってしまい、後ろ髪をひかれつつ、自分に割り当てられた馬で馬場へ。45分のレッスンを終えて戻ってみると、なんとちゃんと立って、シャリシャリおいしそうに草を食んでいます。よかった、よかった。このコは20歳をいくつか超えていて、人間でいえば後期高齢者。80歳以上ということになります。馬は高齢になっても、それほど極端に体力が衰えたりはしないのですが、やはり足腰の筋肉が弱くなり、角度によって自分の巨体を支えられなくなってしまったらしいとのこと。このコはそんなおデブちゃんでもないんですけどね。
心配して見に来ていた高齢者軍団。おじさんもおばさんも、「他人事じゃないんだよなぁ」なんて。人間だって、同じ姿勢でしばらく座っていたり、寝ていたりすると、立つのが容易じゃないってなことになりますね。誰かの手を借りないと起きられないとか。足の筋肉に対して、身体の重さがさほどでもない(たいていの人は)人間でもそうなんですから、馬にとって大きな身体を支える足腰の筋肉って、すごく大事なんですね。私も捻挫しながらもリハビリ歩行はしていましたが、馬も、足を痛めていても多少の運動はさせてやらないとかえっていけないのだろうなぁと思いました。元気になったら、歩け、歩け!