神代植物公園に行ったら、多くの人は深大寺にも立ち寄り(逆かな?)、名物と言われる深大寺そばを食べる、というコースをたどるのではないでしょうか。名物といっても、この辺りは高度成長期にどんどん宅地化が進み、もうとっくにそば畑などはありませんから、そば粉のほとんどは輸入です。私は、数年前まではときどき行っていた蕎麦屋によれば、ほぼアフリカから来ているとのこと。それは仕方のないことでしょう。そのオヤジの蕎麦屋は、コロナ以前に、後継者がいないということで店を閉めました。凝り性のオヤジで、蕎麦もちょっとした小鉢もおいしかったので、残念なことではありましたが、それはそれでやはり仕方のないことでしょう。
「名物に旨い物なし」と言われますが、深大寺そばもまあ、たいがいの店はそんなものかという感じでしょう。そこだけはやめておきなさいとお勧めできる店はありますが、そこへはぜひおいでなさいとお勧めできる店も思いつきません。休日の昼どきに行列のできる店は何軒かありますが、風情がいいか、メディアに登場したことのある店のような。今回は、植物園深大寺門の前にある2軒の蕎麦屋のうち、「松葉茶屋」というところに立ち寄ってみました。「おろしそば」1,050円。まあ、普通に蕎麦、でした。この2軒は、深大寺の蕎麦屋の中では新参のほうだと思います。深大寺&植物園がけっこう観光地化した頃にできたのではないかな。私はグルメでもないし、深大寺の蕎麦全店を踏破したわけでもないので、コメントする立場にはありませんが、古くからあるからといっておいしいというわけではありません。観光地の店はたいがいは一見客なので、逆に古い店ほど営業努力は怠っているなぁと思うこともしばしばですね。
最近、というか気がついたのが最近なので、いつごろからあるのかわかりませんが、深大寺から徒歩圏内のところに「そば畑」ができていました。バスの中から白い花が咲いているのを見かけ、後日、見に行ったらそば畑だったという顛末。小さい畑で、そば粉を供給できるほどのものではありません。以前はなかったものなので、名物の根拠を提供するために作られたものなのかもしれません。もしかして、どこかの蕎麦屋が自家製粉を採るために作ったものなのかもしれません。せいぜい数人前しかできないのではないかという広さではありますが。