日日是好日

馬場馬術

馬に乗ったり、馬の世話をしたりするのが日常の一部になっているような者にとっては、馬はあなたの家で飼っている犬や猫と同じような感覚です。そこに馬がいるのが当たり前といいますか。かつては農作業や物品の運搬などにも使役されていた馬もいて、地方から上京してきた年齢の高い方々の中には、子どもの頃は家で馬を飼っているのがいるのが当たり前で、あえて乗馬を習ったことことがあるわけではないけれど、フツーに乗れますという人もいました。しかしながら、いま日常の中に「馬がいる」という生活をしている人々といえば競馬関係者か乗馬クラブ関係者か、趣味として馬に乗っている人々という感じでしょう。

「どういうきっかけで乗馬を始めたの?」という質問をよく受けます。私にも答えはいろいろありますが、一般的には身内に乗馬や競馬の関係者がいたとか、競馬場で馬の走る姿を見て乗ってみたくなったとか、近所に乗馬クラブがあったとか、大学の馬術部の厩舎があったとか、、、私の家の近くにも大学の馬術部の厩舎があって、中には入れてもらえませんが遠くから馬の姿を見ることができますし、学生が練習している風景を目撃することもあります(私の場合、そこに厩舎があることに気づいたのは、自分が馬に乗り始めてからですが)。

オリンピックをはじめ、多くの国際大会が行われていますが、日本ではテレビ中継などもほとんどありません。東京オリンピックでは放映されていましたが、最近では日本人選手も少数ですが活躍するようになったからでしょうか。それでもやっぱり馬術競技はヨーロッパのもの、という感じで国際大会に出場している日本人選手もほとんどがイギリスやドイツで修行しているみたいですよね。

日本で馬術競技会を見に行く人は、ほぼ関係者に限られていそうです。私もたまたま顔見知りの人が出場するというので、応援というか見物というか、そんな感じで初めて行ってみたのですから。競技会は、馬場馬術と障害飛越の2種類に分けられていて、どっちも出場する人もいれば、片方だけの選手もいます。私の知り合いは、その日は馬場馬術の競技に出場していたのですが、競技馬場には何とも言えない緊張感といいますか、そんなものが漂っていて、見ているほうも緊張してしまうような。規定通りのコースを規定通りの歩き方、走り方で、規定時間以内に、騎乗者も馬も美しい姿勢できちんとこなさなけれなりません。そこに楽しんで馬に乗っているという雰囲気は、私には感じられませんでした。そりゃ、そうだよね~、遊んでるんじゃないんだから。どんなスポーツでも試合は真剣勝負!

馬に乗るといえば、ゆらゆらと馬の背に揺られて、気持ちよく山道や野っぱらを歩くというイメージで、落ちたり、止まってしまったり、別の方向に行かないようにしたり、、。つまりは私たちが習っていたのはまさに乗馬、「馬に乗ること」だけです。乗馬と馬術、似て非なるものなのであることを実感しました。私は、馬術の域にまではとーてー行かれないだろうなぁ~。

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よるべ渚
よるべ渚
馬が大好きエッセイスト。自分でも少しばかり乗りますが、折り紙付きの下手くそ。いつも馬に馬鹿にされています。野球好きでもあり、ベイスターズファンのはしっくれ。日本語を読んだり書いたりするのが好きなだけでテーマ無限大、つまりは収拾のつかない日記です。

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