江戸の痕跡を探しながら街歩きをしているグループに参加させていただいています。参加者は中高年、というより初老といいますか、高齢者の男性が多いですね。高齢者が集まれば、たいがいのグループは圧倒的に女性が多いものですが(人口比で考えても当然ですね)、歴史小説やチャンバラ小説ファンの多い江戸歩きは、男性優位です。
趣味と健康管理を兼ねた、まあ、言ってみればおじいちゃんたちの江戸探しウォーキング。リーダーの方々が毎回、わかりやすい地図や浮世絵のコピーなどを集めて資料を作ってくれるので、それも楽しみです。
月に1回。そのほか東京中の七福神巡りを制覇しようという回が2か月に1回。年に18回ということになります。私は途中から参加させてもらっているので、いまのところ甲州道中の後半と、玉川上水散策だけですが、中山道や日光街道、当然、東海道なども歩き回っているようです。新人のために同じところを企画することもあるそうなので、お江戸の中心地にも行く機会はありそう。
玉川上水は、羽村の取水口からずっと上水沿いに散策をしてきました。時期的は冬場に当たったので、全体としては枯葉色の景色が多かったのですが、上水沿いはずっと桜並木が続いています。小金井橋近辺は有名ですが、花の季節にはさぞや見事なことでしょう。チャンスがあれば、いい季節にまた歩いてみたいです。
井の頭線の久我山駅あたりからは、上水はほとんど暗渠になり、水の流れは時折り姿を見せる程度になります。杉並区、世田谷区、渋谷区などを通っているわけですが、さすが高級住宅地? 文化度が高いというのか何というのか、暗渠に蓋をした部分はほとんどが緑道と公園。それなら流れを残しておいてくれればいいのに……と思ったのですが、誰かが水にはまるのを回避ということでしょうかね?
さて、今回は玉川上水のラスト。京王線の初台駅から四谷大木戸門まででした。ここら辺りは日常的にちょろちょろしている地域ですが、20号線から道一本ずれると、あらあらこんなに寺社や自然が。といっても、地域的にまったくの人工的な自然という感はまぬがれませんが、それでもビル群を背景に花や緑が多くみられます。初台から緑道を通って文化服装学園の前を通る道は、ちょうど桜が満開でさわやかな散歩道になっています。
ところが新宿南口あたりともなれば、そんなノンキな緑道を保存するどころではありません。ところどころに「この下、玉川上水が流れてますよ~」的なプレートがあるだけで、水の気配もなくなってしまいました、つぎに散歩道が現れるのは、新宿御苑の脇あたり。かつて広大な敷地を誇った内藤さんのお屋敷跡も新宿御苑以外はビルと道路。地域的には致し方ないことでしょうか。それでも小さく削られたお寺や稲荷神社などがひっそりと残っています。こんなところにも江戸の気配はあるのですね。