日日是好日

太平洋展

毎年、この時期に行われている「太平洋展」に行ってきました。六本木の国立新美術館。全国からすご~い作品が集まってくるというタイプの展覧会ではありませんが、規模は大きく、絵画・版画・染織・彫刻とさまざまな分野のいろいろな感性が一堂に集まるという感じで、なかなか見ごたえがあります。

寺町美術館館長の皆川滋水さんの作品は、一応、版画という部門にありますが、これはなんというのでしょうねぇ。毎年、分類できないでしょう、これは! というくらい異彩を放っています。メッセージ性が強いというのか、心的世界が具現化されているとでもいいうのでしょうか。その世界観は難しすぎてさっぱりわからないのだけれど、今年は何を表現したいのだろうと、楽しみにしていたりします。

今年のタイトルは「華厳—K曲線の宝珠」。だいたいご本人とお話をして、イメージの源泉をうかがうのですが、今年は作者と遭遇せず。一緒に行った友人と、勝手に「宗教的な深層が表現されている感じ」などという感想を話していたのですが、のち、ご本人に解説をお願いしました。

【松岡正剛の華厳経を勉強してたら中沢新一のレンマ学にたどり着いたのでその辺りの印象を受けられればいいのですが。大乗仏教の世界観の須弥山の頂上の帝釈天の様子、Kとはカテナリーでガウディの用いた曲線です。宝寿は帝釈天のイヨドラの網の交点にある鏡面状の鈴ですね。心の世界をイメージしてます】

とのこと、浅学な私には、仏教も密教も表層しか理解できないのですが、印象としては当たらずとも遠からず?

私は自分で絵を描くわけでもなく、鑑賞した数もたかがしれているという感じなので、美術に関するウンチクはまったくのゼロです。丁寧にきれいに描かれている風景などをみると、テクニック的はすごいのだろうけど、そんなことは知らない私は、写真とどこが違う?なんて思ってしまったりします。以前にたまたま偶然に、三人の人が描いた鳥の絵をいっぺんにみたことがあるのですが、バランスとかテクニックではなく、目力を感じる鳥が一番すごいなと感じました。ときどき馬の絵を見ることもありますが、躍動感とか馬の感受性が見えてこないような絵だと、なんとなくがっかりしたりして。

太平洋展は30日までやってます。

ABOUT ME
よるべ渚
よるべ渚
馬が大好きエッセイスト。自分でも少しばかり乗りますが、折り紙付きの下手くそ。いつも馬に馬鹿にされています。野球好きでもあり、ベイスターズファンのはしっくれ。日本語を読んだり書いたりするのが好きなだけでテーマ無限大、つまりは収拾のつかない日記です。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です